札幌おやこ面会交流のあやの会

基本理念

「札幌おやこ面会交流の会」は、離婚などで別れて暮らす親と子の面会交流を、父母が自分たちの力で実施できない場合に、その実施を支援します。支援活動は次のような考え方に基づいて行われます。

一般に面会交流は、離婚をめぐる夫婦の紛争のなかで、子どもの立場が希薄なまま決められることが少なくありませんが、当会は面会交流に当たって、子どもの権利と成長を最も大事に考えています。子どもは、たとえ父母が離婚しても、父と母に愛され、見守られて成長する権利があるからです。

当会が目指している面会交流は、子どもが安心して臨めて、次回もまた会いたいと思うような面会です。こうした面会の積み重ねによって、より良い親子関係が形成され、子どもの心身の安定が育まれると考えています。そのために、父と母もそれぞれ子どものために十分な配慮をしていただく必要があります。

また、父母は近い将来に面会交流を自分たちの手で行えるように、相互の連絡など関係の調整に努めていただきたいと思います。父母と当会は、子どもの成長を願って面会交流を行う協働者と言えます。

一歩ずつ共に歩んでいきたいと考えています。

ご挨拶

子どもに寄り添い、子どもの声に耳を傾けて

代表の写真

 親子は、夫婦と違い断ち切ることができない運命的な関係です。それは、「簡単であったことなど人類史上一度もない」と言われるほどむずかしいものなのですが、面会交流の場合、離婚・別居といった大人の事情が加わるのでむずかしさが倍加します。
 子どものことを考える時に一番大事なことは「想像力」です。子どもの声に耳を傾け、子どもの気持ちに思いを致すのです。大人はみんな昔子どもであったことを忘れていますが、小さい時はお父さんもお母さんも大好きだったではありませんか。少し大きくなると反発しましたがお父さんとお母さんの存在が安心の源だったではありませんか。私たちはみんな、それぞれ形は違うかもしれませんが、親子関係の中で安心し、反発しながらそこはかとない自信を育み、そして好きな人生を選択してきたのです。
 離婚・別居という大人の事情は、子どもからみると、とても身勝手ですし、大変迷惑な話です。ですから、離婚・別居する親には、子どもの迷惑を最小限にとどめる責任があると思うのです。そのための唯一の方法が面会交流です。子どもの気持ちを想像して、それまでの夫婦のわだかまりを捨て、子どもに対し、別れて暮らすお父さんまたはお母さんに会える機会をたくさん保障してあげてほしいのです。ただ、中には面会交流の実施が何らかの事情で「子どものため」(子どもの最善の利益)にならない場合があります。子どもにだって都合があるでしょうし、そもそも子どもの気持ちというのはいつも「会いたい」と思っているとは限りません。時と場合によって多面的なのです。その場合、無理に面会交流を実施すると、子どもが苦しみますし、以後の実施が難しくなります。親の気持ちはわかりますが、面会交流は「親のため」に行うものではなく、「子どものため」に行うものなのですから、立ち止まっていただかなくてはなりません。
 このように私たちは、あくまでも子どもの視点に立って、子どもに寄り添い、子どもの声に耳を傾けながら、面会交流のサポートをしていきたいと考えております。ささやかな活動ですが、子どもたちの笑顔のために、ご理解、ご協力をいただければ幸いです。
あやの会代表
弁護士 内田 信也